今回は、キャバクラのボーイが実際にどのような仕事をしているのか解説してみたいと思います。
「開店準備」から「閉店後の作業」まで時系列に沿って見てみましょう。
多くのキャバクラは、18:00か19:00に開店します。そして、日付が変わる24:00か、地域によっては25:00に閉店します(閉店時間は風営法という法律によって定められています)。
そんな中、キャバクラのボーイは開店1時間前に出勤するのが一般的です。
つまり、17:00あるいは18:00に出勤することになります。
ボーイの制服に着替えてからは、開店までに以下のような業務を手分けして行います。
店舗清掃
前日の閉店後、ある程度しっかりと行われていますが、夜のうちにたまった埃などをしっかり払い、チリひとつない状態に仕上げる必要があるので気は抜けません。
メインフロアの床やテーブル、ソファはもちろんのこと、通路やトイレに至るまでしっかりと磨き上げます。
ドリンク&フードの準備
何といっても、キャバクラはキャストとの楽しい時間、そして美味しいお酒を提供するお店。
というわけで、ドリンクが十分にあるかどうかチェックすることが欠かせません。
特に、キャストのバースデーイベントなどのイベント日にはシャンパンの消費が増えることも考えられるので、しっかり確認します。
そのほか、その時点で確定している予約・来店の数にあわせてチャーム(おつまみ)、各種のフードの数もチェックする必要があります。
また、営業開始後に大量に必要になる「おしぼり」の確認も、欠かせない仕事のひとつです。
お客様にお渡しする「ぬれしぼ」と、お酒がこぼれたときなどに使用する乾いた「かわしぼ」の2種類が十分にあるかどうか、チェックします。
いよいよ開店してからは、キャストのサポートを行うためにさまざまな業務を担当します。
特に重要なのは、以下のような仕事です。
ウェイター業務
レストランやカフェのホールスタッフと同じく、注文に応じてお客様の席にドリンクやフードを運びます。
灰皿を交換したりおしぼりを運んだり、氷や水を交換したり継ぎ足したりと、こまごました作業もあります。
ただし、キャバクラは一般的なレストランとは注文の形式が異なります。お客様に声をかけられたり、注文ボタンがあるわけではありません。
キャストが指先をさりげなく挙げて合図するのを受け、席にお伺いして注文を聞くのが一般的です。
常に店内に目を配って合図を見逃さず、スピーディに動く必要があります。
付け回し
ボーイとして入店し、ウェイター業務に慣れてきたら「付け回し」を任されることがあります。
付け回しとは、簡単にいえばキャストをお客様の席に付けることです。
しかし、決して“単なる案内役”ではありません。
たとえば、同じAさんというキャストを指名するB様、C様が同時に来店している場合、B様にもC様にもしっかり楽しんでもらえるよう、時間配分を考えつつ付け回しをする必要があります。
そのため、あらかじめ予約状況を把握し、営業中はインカムを付けて常にフロア全体の状況を把握できるよう努めます。
その他の業務
上記のような業務のほか、予約の電話対応やお客様のエスコートなど、こまごまとした業務を行います。
お店によっては、専門の「エスコートスタッフ」が入り口付近に控えます。
入り口でお客様の荷物(冬はコートなど)を預かり、お帰りの際には返却します。急な雨のときには傘を提供したりすることもあります。
そのほか、トイレの清掃も重要な業務のひとつです。
定期的にしっかり行い、常にきれいな環境を用意できるよう努めます。
すでに書いているように、キャバクラの閉店時間は24:00か25:00です。
午前1時には、完全にお客様を送り出してネオンを消し、キャストも送りドライバーに任せて閉店します。
しかし、ボーイはまだ帰るわけにはいきません。
以下のような業務を、1時間ほどかけて行う必要があります。
店舗清掃
翌日の営業前にも清掃は行いますが、その日の汚れはその日のうちに拭き取ります。
特に床やソファに少量でもこぼれたドリンクやフードは、臭いのもとになったりシミになったりすることも考えられるので、早いうちにしっかり除去する必要があります。
ドリンク・フード・各種備品のチェック
ドリンクやフードの在庫を確認し、在庫が少ない場合は発注するなどして対応します。
そのほか、おしぼりのチェックも欠かせません。
おしぼりをしっかり洗って干し、翌日には「かわしぼ」がたくさん用意できているように整える必要があります。