もちろん店長には、「ボーイ」や「マネージャー」ではタッチできない“店長だけ”の業務を行うことがあります。代表的なのは、以下のような業務です。
冒頭に書いた通り、キャバクラ業界は空前の売り手市場。どのお店も働き手を求めています。そんな状況の中で、日々少なくない数の応募者がキャバクラには訪れます。
ここには、スタッフとして働きたい男性だけでなく、キャストとして働きたい女性も含まれています。とはいえ、全員が全員やる気を持って仕事にチャレンジしようと考えているわけではありません。楽をして高収入を得たいという人物もいるでしょう。
というわけで、店舗経営の責任者である店長が彼らを面接し、「この子ならお客さんの前に出せる」という人を選んで採用します。採用をミスしていい加減な人物を入店させてしまうと、最終的にはお客さんに迷惑をかけることにもなりかねない……そのことを考えると、責任重大な仕事といえるでしょう。
キャバクラでは、日々さまざまな「イベント」が開催されています。
開店1周年、5周年……といった節目の年に開催する「周年イベント」をはじめ、クリスマスやバレンタインデーといった特別な日に合わせたイベントなどがあります。これらを企画し、内容を細かく決めて下に指示を出し、実施に向けて動くのもキャバクラ店長の仕事です。
ただし、必ずしも店長がイベントを考えなければいけないわけではありません。スタッフ全員がさまざまな意見を言えるような風通しのいい環境を作り、イベントの企画を募集するというやり方もあります。
多くの店舗が働く人を求め、空前の“売り手市場”となっているキャバクラ業界。
・18歳以上(高校生不可)であること
・きちんとした態度で面接を受けること
以上のポイントさえ押さえれば、誰もが業界入りできるといっても過言ではありません。
そして、この業界は完全なる実力社会です。
年功序列などはなく、努力したらその分だけ昇格・昇給が視野に入ってきます。ボーイとして入店後、短期間で「店長」の座に昇りつめるという人も少なくありません。
ところで、そもそもキャバクラで「店長」はどんな仕事をしているのでしょうか?というわけで、今回はその具体的な仕事内容について解説してみたいと思います。
「店長になれば、特に何も仕事をしなくても高収入生活を送れるのでは?」そのようなイメージを持っている方もいらっしゃるでしょう。
確かに、半分は正しいといえます。
キャバクラ業界では、店長クラスになると年収1000万円も夢ではありません……が、「何も仕事をしなくても」というところは大きな間違いです。
キャバクラの店長は日々、さまざまな仕事をこなします。
たとえば、営業時間中はホールに出てボーイとともにウェイター業務をこなしたり、キャストをお客様の席に付ける「付け回し」を指揮したり……。
また、キャストやスタッフの教育・管理なども行います。
要するに、キャバクラに関するほぼすべての仕事をこなす必要があります。特に、人手が足りないときや“お得意様”が来店したときなどは、アレをしたりコレをしたりと忙しく働くことになるでしょう。
キャバクラ業界では、入店後すぐに店長になれる人はいません。
現在活躍している店長の多くは、ボーイからの“叩き上げ”です。その働きを認められ、「主任」「マネージャー」「チーフマネージャー」のようなポストを経て店長になります。
とはいえ、ボーイとして入店した人のすべてが店長になれるわけではありません。ボーイとして働き続ける人もいれば、チーフマネージャーで止まってしまう人もいます。では、どんな人が店長の座につくことができるのでしょうか?
最も大事なのは、キャバクラで黒服として経験する「ボーイ」「マネージャー」の仕事をそれぞれ完璧にこなせる人物であることです。ボーイとしてウェイター業務や各種雑務をしっかりこなすことができ、マネージャーに昇進してもその頃の技術や知識をいつでも発揮できる人は、優秀な人材としてさらに上を目指すことができるでしょう。
これは決して難しいことではありません。
1日1日しっかり頑張って仕事に挑み、身につけた技術や知識を忘れないようにすること。これを心がけることで、店長を目指せる優秀なスタッフとして、上層部に見てもらえるようになるでしょう。