これを読めば、ゼロから立派なキャバクラ黒服(ボーイ)になれる!
リアルな黒服経験者の声をもとにした黒服デビューストーリー『黒服の翔(カケル)』
大学を中退してフリーターを続けている、21歳の鈴木 翔(カケル)が主人公。
遊ぶお金の余裕もない金欠生活を送っていたが限界を感じ、キャバクラの黒服(ボーイ)という選択肢を見つける。
スマホ一つで気軽に求人へ応募できてしまい拍子抜け。履歴書もどうにか完成させ……
今日はいよいよ、歌舞伎町のキャバクラ「ブルーシャンデリア」面接当日だ!
面接まであと三時間だ。志望動機欄と格闘した渾身の履歴書をカバンに入れた。
スマホで『バイト 面接 服装』で検索し、一番上に出てきたページをタップする。
スーツ以外での面接の場合、男子服装は無地または淡い色柄のシャツと、デニム以外のコットンのズボンに革靴が印象良し、らしい。
スーツで行くのは重い気がするから、Yシャツとチノパンで行こう。
黒服は清潔感が大切という記事も見たので、剃り残しがないように時間をかけてヒゲを剃って、久しぶりに化粧水なんて塗ってみる。ジェルを使い髪のセットもして、鏡を見た。
そこには昨日までの自分と違う“きちんとした”自分がいる。
変わるんだ、オレは。
クローゼットをひっくり返して白シャツを探し、大急ぎでシワを伸ばした。
長いことTシャツばかり着ていたから、襟付きなんて久しぶりだ。
アパートを出て、午後の新宿駅東口にやってきた。いつ来ても人が多い街だ。
果物屋やブランド質屋の路地を抜けて横断歩道を渡り、マップアプリを見ながら歌舞伎町一番街の赤いアーチをくぐる。
ここからまっすぐ数分歩いたところに、今から面接する店「ブルーシャンデリア」がある。
メールでは『お店に着いたらそのままドアを開け、中に入ってきてください』と書いてあったけれど。
翔:(あ〜緊張する!怖い人が出てきたらどうしよう!)
キャバクラに入るのなんて人生初だ。正直怖い。なんなら歌舞伎町を歩くところから怖かった。
少し年季の入ったビルの二階までエレベーターで上がり、緊張に震える手でドアを開けた。
するとーー
翔:「うわ……!」
扉の向こうは、未知の世界だった。
エントランスの天井に大きな青い光のシャンデリアが飾られている。こんなの映画に出てくる金持ちの家でしか見たことない。
店名通りのブルーのシャンデリアに圧倒されてぽかんと上を眺めていると、前から声がかかった。
??「あ、面接の鈴木くん?」
名前を呼ばれ、焦って姿勢を正し頭を下げた。
ネットの面接対策記事に書いてあったことを思い出す。最初の挨拶はハキハキと元気よく、が肝心だ。
翔:「はい! よろしくお願いします!」
銀島:「おっ、いい挨拶だね! 面接を担当する黒服の銀島(ぎんじま)です、よろしく。裏に面談室があるから、そこで話そうか」
30歳くらいだろうか。高級そうなスーツを着こなして、髪をオールバックにビシッとまとめた黒服だ。
俳優みたいなかっこいい人に、思いっきり間抜け面を見られてしまった。
バックヤードから更衣室の隣の部屋へ進む。
店内はキラキラだけど、こういう事務所的なスペースは案外普通なんだな、と思う。
銀島さんに促されて黒いソファーに腰掛け、改めて挨拶をする。
銀島:「じゃあさっそく面接を始めましょう。履歴書と、メールでお伝えしたモノを提出してもらっていい?」
オレは思わずうろたえた。
翔「えっ……?」
必要なものって、履歴書以外に何か書いてあったっけ!?
普段の身だしなみがテキトーだった翔くん。
どうやら「黒服・ボーイキャバキャバ」のコチラのページを参考にしたようです。
・ヒゲを剃る
・髪型を整える
・襟付きのシャツを着る
・パンツはデニムNG
・靴はなるべく革靴で
最低限、このあたりはきちんと守れると良いですね。身だしなみを整えると、採用合格率が大幅にアップしますよ!
黒服の仕事は清潔感が大切なので、ヘアスタイルは作り込みすぎないくらいで。服もオシャレさよりもシンプルさを意識して!
他にも香水の付けすぎに注意したり、意外と見落としがちな爪の伸ばしっぱなしなどにも気をつけましょうね。